日帰り手術の利点
社会復帰が早い
手術翌々日から、仕事や学校に戻ることが可能です。リモートワークであれば翌日から可能です。もちろん、手術の種類や年齢、職種などによる個人差はどうしても生じますが、入院するよりも早く復帰できるケースが多いです。
心身への負担が少なく済む
手術(麻酔)時間は短く、出血も最小限に抑えることで、身体へのダメージをより少なくできると考えております。手術にかかる時間は30〜60分と短く、手術が終わった後は数時間院内にて休んでいただきますが、その後はご自宅でゆっくりお過ごしいただけます。
入院に必要な費用がかからない
入院すると、手術費用以外にも部屋代や食事代などの入院費用がかかります。大部屋の予約が取れない場合など、こちらが費用の大部分を占める場合もあります。
しかし、日帰り手術でしたら、入院費用がかからないので経済的な負担も少なくなります。
事前の準備やアフターケアが最小限
入院すると、入院の準備や不在時の仕事・家事の引き継ぎ、復帰後のフォローなどが必要になります。多忙な現代人がこれらを行うとなると、多くの時間や労力がかかるかと思われます。しかし、日帰り手術でしたら、これらの準備やフォローも最小限で済みます。
すぐにご自宅内で安静に過ごせる
日帰り手術でも、手術後は安静にすることが必要です。しかし、ご自宅で休めるので、入院時のように他人に気を遣う必要はありません。ご自身のペースで食事やトイレ、身体のケアをすることができます。
当院の日帰り全身麻酔手術
当院は慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎で苦しまれている患者様の診療を専門としております。しかし、「入院のために仕事(学校)を長く休まなければならない」という不安から、手術治療を避けて、鼻の悩みを放置してしまう方も多くいらっしゃいます。
当院では、そういった方のために「日帰り全身麻酔手術」を提供しています。入院施設と同様の治療を入院せずに治療できるため、今まで二の足を踏んでいた手術治療がより身近に、そして手軽に受けていただくことが可能になりました。
当院の耳鼻咽喉科医・麻酔科医は、鼻の日帰り手術専門施設での豊富な経験を有しておりますので、そのノウハウを生かした安全かつ的確な日帰り全身麻酔手術治療を提供することができます。
また、当院では万が一の術後トラブルにも、24時間365日バックアップ体制を整えて対応しておりますので、帰宅後も安心して過ごしていただけます。
当院の全身麻酔について
全身麻酔は、手術時の痛みや意識を消して手術時の苦痛を取り除くだけではなく、手術中の反射的な動きを抑えながら、手術をより安全に行うために必要な存在です。
一般的な全身麻酔は、気管にチューブを挿入して呼吸を確保(気管挿管)しますが、当院では、呼吸を補助するためのマスク(ラリンジアルマスク)を喉の奥に入れて全身麻酔を行います。(術式、時間によっては気管挿管となる場合もございます。)
この方法により、術後の嗄声(声枯れ)、咽頭痛、気管刺激による咳嗽(咳)などを大幅に軽減する事ができます。 麻酔薬の使用量は、最小限に抑え、日常生活にスムーズに復帰できるよう心がけております。
当院では日帰り手術の経験豊富な麻酔科の専門医が全身麻酔を担当します。
当院の日帰り全身麻酔手術の適応
安全に日帰り手術を受けていただくため、誠に勝手ながら下記に該当する方は原則手術をお受けしておりません。
- 心臓病、脳血管障害などの基礎疾患をお持ちの方(例:心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳出血)
- 高血圧や喘息をお持ちの方で、お薬などで十分にコントロールされていない方
- 糖尿病(インスリン治療中、もしくはHbA1c7.0以上)の方
- 慢性腎不全(人工透析中)の方
- 血液をサラサラにするお薬を内服中の方
- 重症睡眠時無呼吸症候群の方、CPAP使用中の方
- 小学生以下のお子様および65歳以上の方
- 肥満の方(BMI値30以上)
- 妊娠中の方
- 手術前2ヶ月間の禁煙を守れない方(術後の鼻炎・副鼻腔炎コントロールのため術後も禁煙継続を推奨しております。)
上記に該当しない場合でも、医師が手術適応外と判断した場合には手術をお引き受けできない場合があります。
低被ばくCTによる正確な診断
当院では、モリタ製作所の最新鋭のCT装置「3D Accuitomo」を導入しております。総合病院などにあるCTと比べて、被ばく量が少なく(人体に受けるX線の量は従来のCTの1/35~1/7程度と胸部レントゲンとほぼ同等です)、座ったまま撮影が可能です。鼻のように細かい構造の撮影に非常に優れており、数十ミクロンという細かい情報を高画質の画像で得ることができます。
特に、副鼻腔炎(蓄膿症)の診断には、このCT検査が重要です。副鼻腔炎の原因は様々で、ほとんどの場合は細菌感染によって引き起こされますが、稀に真菌(カビ)や虫歯、できものなどによっても発生することがあります。真菌による副鼻腔炎では手術が必要となるケースが多く、虫歯が原因の場合は歯の治療が不可欠です。悪性腫瘍が疑われる場合は早期に専門施設への紹介が必要です。こういった理由からCT撮影によって原因を特定することは有用であり安心につながります。また、術後の状態確認にもCTは有効です。
高額療養費制度とは
医療費の自己負担額が1ヶ月(1日〜月末)のうちに限度額を超えた場合、超えた分の金額が戻ってくる制度です。自己負担額は、患者様の現在の年齢や所得で変動します。限度額を超えると前もって分かる場合は、手術の日に『限度額適用認定証』を持って受診してください。その場合、窓口での支払いは限度額だけになります。
手術の予定が決まった際には申請の方法や費用概算などについてご案内させていただきます。
限度額適用認定証
手術の前に申請できます。手術の日にお持ちいただけますと、窓口での支払いは限度額だけになります。超えた分を立て替える必要はありません。
事前に限度額を超えそうだと分かった場合は、こちらの手続きをお勧めします。
高額療養費制度
限度額適用認定証をお持ちでない場合は、手術の日にご自身の分の医療費をお支払いいただきます。その際は、限度額を超えた分も含め、健康保険で定められた割合をご負担いただきます。なお、後に手続きをすれば、超過分は払い戻しを受けられますのでご安心ください。
自己負担額
70歳未満の方
所得区分 | 自己負担限度額 |
---|---|
区分ア(標準報酬が月額83万円以上の場合)※ | 252,600円+(医療費-842,000円)×1% |
区分イ(標準報酬が月額53万~79万円の場合)※ | 167,400円+(医療費-558,000円)×1% |
区分ウ(標準報酬が月額28万~50万円の場合) | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% |
区分エ(標準報酬が月額26万円以下の場合) | 57,600円 |
区分オ(被保険者が、市区町村民税の非課税者である場合など)※ | 35,400円 |
※市区町村民税が非課税でも、「区分ア」または「区分イ」になる場合があります。